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  • 執筆者の写真就労移行支援ひかり

自閉症スペクトラム

イギリスの児童精神科医ローナ・ウイングは自閉症スペクトラム(ASD)を

・社会性

・社会的コミュニケーション

・社会的イマジネーション

上記それぞれに質的な偏りがみられる、「3つ組の障害」と定義しました。

また、感覚の敏感さ/鈍感さなどの感覚の偏りや、その他の精神症状も併せ持ちやすいとされています。

2018年6月のレポートでは『発達障害』が取り上げられましたが、発達障害ASDの中の1つである自閉症スペクトラムを詳しく調べてみることにした。

 自閉症スペクトラムはアスペルガー症候群には似たような症状があり、何が違うのか理解に困りました。

調べた結果、以下が違うため呼び方が違うようです。

広汎性発達障害(PDD)のうち、知的に遅れがない(IQが70以上)は「高機能広汎性発達障害(高機能PDD)」というくくりになり、アスペルガー症候群や高機能自閉症と呼ばれるようです。(定義上、高機能自閉症の中で言葉の発達に遅れがないものがアスペルガー症候群と呼ばれています。)

なお、高機能自閉症やアスペルガー症侯群は、広汎性発達障害(Pervasive Deve1opmental Disorders)(略称「PDD」)に分類されます。

以上のように、自閉症には「自閉症スペクトラム」と「高機能自閉症スペクトラム」の2種類が存在することになります。

「自閉症スペクトラム障害」(自閉症)

l 自閉症の診断基準と原因

自閉症の診断では、次の3点が基準となっています。

1. 相互的な人との交流が困難、視線が合わない、感情表現が難しい、集団行動がとりにくい

2. 言語を中心としたコミュニケーションの障害

3. 興味や行動の幅が狭く、こだわりがみられる

自閉症は中枢神経の障害です。心理的な 原因や環境的な要因によるものではありません。

目や耳などの感覚器官に問題はありませんが、そこから脳内に入ってくる情報を処理する過程に課題があります。そのため 一般の人とは違った感じ方(認知)をしていると思われます。

また、知的発達の面で遅れのある子どもが多くいます。

l 自閉症の行動

自閉症は認知の発達に大きな偏りがあります。そのため、学習面や行動面に大きな困難が生じます。

たとえば名前を呼ばれても反応しなかったり、いつまでも一人で遊んでいたりするなど、コミュニケーションに課題がある場合や、変化がきらいで時間や場所、順序や物、日程などへのこだわりがあることなどがあります。 また、偏食がある子どもも多くいます。牛乳や野菜、魚などを食べられないことが あります。

「高機能自閉症スペクトラム障害」(高機能自閉症)

自閉症の診断基準がみられ、知的発達の遅れをともなわないものを高機能自閉症といいます。

 この場合の「高機能」という表現は、必ずしも知的能力が平均よりも高いということを意味しているのではありません。「明らかな知的発達の遅れがない」という意味で使われています。

したがって、「高機能」といっても知的能力が境界域の人から非常に高い人までいます。

l 高機能自閉症の症状

社会性の欠如 他者との交流がスムーズにいかない状態がありますが、高機能の場合は慣れ親しんだ環境では、社会性の欠如が目立たないことがあります。この子どもたちを理解するためには、友達との遊びの場面などを詳細に観察することや、発達の過程を知ることが必要です

l コミュニケーションの障害

高機能の子どもたちはことばがないということはありません。しかし、その使い方が問題となっています。

覚えたことばを相手や場所、時間などに応じて調節していくことに課題があります。また、ことばの意味を深くとらえることができにくく、字義のみの意味理解にとどまることがあります。

また、相手の表情や身振りなどの非言語的な要素の理解が難しく、ことば以外の表現をコミュニケーションの手段とすることがあまりありません。これらのために相手の気持ちを傷つけることがわからずに、いやがるようなことばを発してトラブルとなることがあります。また、恥ずかしさがわからないこともあります。

l 想像力の不足

物を何かにみたてることや現実の経験に想像力を働かせて、アレンジすることが苦手です。

想像力が働きにくいため遊びなどのレパートリーや方法がかぎられてしまい、同一性を保持しようとするためにこだわり行動があらわれます。

l 感覚異常

視覚、聴覚、味覚、臭覚、皮膚感覚 の全ての感覚に過敏さ、あるいは鈍感さがみられることがあります。視覚が過敏なため、目に入った文字を読んでしまったり、聴覚が過敏なために犬の吠える声や運動会のピストルの音を怖がったりします。また、皮膚感覚が鈍感なために暑さや寒さをあまり感じないこともあります。味覚の過敏さは極端な偏食というようなものとしてあらわれる場合があります。

l 運動のぎこちなさ

歩き方や走り方がぎくしゃくしている、運動競技が苦手、字が上手に書けないなどとしてあらわれます。ストレスのたまった状態や緊張している状態のときに、体を前後にゆすることやその場で飛び上がったりすることがあらわれることがあります。

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